Contax RTSシリーズは、京セラがまだヤシカという名前だった頃の、ヤシカ・コンタックスを代表する一眼レフカメラのフラッグシップモデルです。
その初代にあたるカメラが、1975年に発表されたContax RTSです。
それまでのツァイス・イコンのコンタックスではなく、日本のヤシカとドイツのカールツァイスが共同で立ち上げた新生Contaxが発表した一眼レフとしては、最初のモデルにあたります。
ボディの設計をヤシカ、レンズ設計をカールツァイスが行い、デザインをポルシェデザインが担当しており、総合的な完成度の高さから、非常には高い評価を得ています。
その特徴が、当時のフラッグシップモデルでは類を見ない、電子化された内部機構と絞り優先AEを搭載していることです。
当時のヤシカは電子技術を得意としており、レンズの描写性能で高い評価を得ていたツァイスレンズのポテンシャルを最大限に引き出すために、持てる技術を惜しみなく投入しています。
電子制御によって実現した高い反応性を持った電子制御シャッターの最高速度は1/2000秒と高速で、低速でも電子制御によって4秒という長時間露出を可能としています。
そして、当時のフラッグシップモデルでは革新的ともいえる絞り優先AEを搭載したことも特筆すべき点です。
すべての人にとって使いやすいカメラを目指したCONAX RTSはそのボディの完成度の高さ、ツァイスレンズの圧倒的な描写力と洗練されたデザインによって、新生コンタックスの歴史に名を残す、まさに名機といえるカメラです。