「タンク」の愛称で親しまれているカメラが1986年2月にCanonから発売された『T90』です。
T90は、Tシリーズにおいて最高級機種として開発され、モータードライブを内蔵した35mmマルチモード一眼レフカメラとして誕生しました。
非常にユニークな外装は、インダストリアルデザイナーのルイジ・コラーニによるものであり、直線が当たり前であったペンタ部分に緩やかな曲線が取り入れられています。
そのため、デザインの面からも注目が集まった一台です。
さまざまな機能を自動化させることでユーザーの負担を軽くし、撮影者の思いをそのまま描写できるよう開発がすすめられました。
そこで採用されたのが切り換え3方式による測光感度機能で、これにより撮影意図や撮影条件に対して思い通りに測光方式が切り替えられるようになりました。
また、3個の小型のコアレスモーターの採用により、省エネ化にも成功しています。
そのほかにも、単3型乾電池4本を使用することで最高速4.5コマ/秒が連続撮影できるモータードライブの搭載はカメラファンに衝撃を与えました。
Canonが発売した高性能のT90は、いつまでも変わらない魅力のあるカメラとして中古市場でも常に注目を集めています。