Canonは昭和8年に精機光学研究所として発足し、昭和11年にハンザキャノンの発売によってカメラ産業に進出を果たします。
ハンザキャノンの最新型として1939年4月に発売されたのが『SEIKI-KOGAKU』です。
SEIKI-KOGAKUのファインダーには、ハンザキャノンから受け継がれたポップアップ式が採用されています。
これは、背面のボタンを押すことで飛び出す独特のスタイルです。
また、ハンザキャノンにはなかったスローシャッターが国産カメラで初めて採用されました。
スローガバナーの製造には高い技術が必要であり、ライカコピー機のなかにはスローシャッターがないモデルも多くあります。
そのなかでもSEIKI-KOGAKUのガバナーは非常に優秀であり、高い評価を受けています。
さらに、ハンザキャノンではコマ数計がボディ前面にありましたが、SEIKI-KOGAKUではライカと同じ巻き上げノブ下に移動されました。
また、SEIKI-KOGAKUのレンズには、Nikon日本光学工業株式会社の製品が採用され、ニッコールF3.5のレンズがつけられているのも注目される点です。
ライバル関係にあるカメラメーカーが、当時は協力してひとつのカメラを作り上げていました。
国産カメラの歴史が感じられるSEIKI-KOGAKUは、カメラ愛好家が求めて止まないカメラのひとつです。