
Canon SIIは終戦の翌年である1946年から1949年までの3年間でおよそ8000台製造された35mmフォーカルプレーンシャッター式カメラです。
戦後発売となったカメラはライカを超えることを目標と掲げ、戦前よりも大幅に高品質なものが多く誕生し、SIIもその中の一つです。
しかしながら当時の日本は食料さえも入手が困難で、そんな中で高級品であるカメラを購入できる人など一握り、いや、ほとんどいないと言っても過言ではありませんでした。
そのため、製造されたカメラの多くは駐留軍人などに「国内輸出」という形で援助物資の見返り品として販売され広がっていったようで、今になってみると日本よりも海外のほうがまだ残っていたりもします。
本機の一番の特徴は、コンタックスと同様に逆ガリレオ式ビューファインダーと二重像一致式連動距離計を一体化させた一眼式レンジファインダーを採用したことにあります。
今でこそ一般的ですが、当時はとても画期的で大変珍しいものでした。
付属レンズにはセレナー50mm F3.5が採用されており、生産時期や生産数が極端に少ないためとても貴重です。
そのためレンズだけでも入手する価値は十分にあります。
昭和っぽさが漂うデザインが銀塩マニアにはたまらないモデルです。