Canon Pは1960年に発売となった35mmレンジファインダーカメラです。
PはPopulaire(大衆的な)の頭文字をとったものであり、それまで高級機を世に送り出してきたキヤノンが、重要な機能は抑えながらも価格を一気に引き下げたモデル。
その甲斐もあってか、約10万台もの製造が行われたそうですので、人気の高さが伺えます。
スペックとしては、フィルムのレバー巻き上げから、セルフタイマー内臓の1~11000秒、B、X一軸不回転式シャッター、ファインダー倍率等倍といった基本的な機能はすべて押さえてあるため、スペックとしては十分です。
性能だけでみるならば、ライカM3とほとんど同じですので、価格と相まって人気が高かったのも頷けます。
価格を引き下げるにあたってこれまでのキヤノンRFから変更があったこととしては、コストのかかる3段変倍のファインダーを取り外し、等倍のファインダーを搭載したことにあります。
それにより、35mm広角レンズから100mm望遠レンズまでを使用するユーザーには歓ばれました。
また、軍幹部が非常にスッキリとしたスタイルで、しっかりとホールドできるため手の小さい女性などでもぴったりとフィットし、万人に愛される仕上がりとなっています。