Canon L1はCanonVT Delux型と同時に発売された35㎜フォーカルプレーンシャッター式の距離計連動カメラです。
キヤノンならではの8角形のフォルムに部品が突起していない平面的でスマートなデザインが高い評価を獲得し、当時通商産業省により制定されたばかりの第1回グッドデザイン賞をカメラとして初めて受賞しました。
今となっては昭和の香りがたまらない名機として人気を博しています。
機能面としてはCanon VT Deluxをベースとしており、大きな違いとしては底部トリガーによる巻き上げを上部レバーによる回転式に変え、セルフタイマーを省略しました。
また、2か月先に発売されたCanon L2(L1の廉価版)と比べると、シャッター速度が1/1000と早く、巻き戻しノブの形状が大きく違うことが挙げられます。
発売当初のシャッター幕には布幕シャッターが採用されていましたが、太陽光による焼損時期や、耐久性への観点からステンレス製に変更されています。
使い勝手としてはファインダーが見やすいため、実用はもちろんのこと、レンジファインダーカメラの入門機としてご使用いただくのにもお薦めです。