EOS 5Dは、2005年8月に発売されたキヤノンのデジタル一眼レフです。
当時、キヤノンのデジタル一眼レフでは1Ds Mark IIだけが35mmフルサイズセンサーを搭載した機種になっており、フルサイズセンサーはプロ向けのものという位置付けになっていました。
5Dは1D Mark IIの普及機として35mmフルサイズセンサーを搭載しながら、40万円以下という一般の方にも手が届く価格で登場した画期的なモデルでした。
撮像素子は上でも触れた通り、35mmフルサイズの有効1280万画素CMOSセンサーを搭載。
画像処理エンジンにDIGIC IIを採用することで、高い解像感と階調豊かな画像の撮影が可能になっていました。
連写性能も1Ds Mark IIには劣るものの、秒3コマとフルサイズセンサー搭載機としては十分な性能でした。
AFセンサーは5D用に新開発された測距点9点+アシスト6点のセンサーが採用され、ハイアマチュア向けには十分な性能を確保しています。
また、このクラスのカメラとして新機能のピクチャースタイルが搭載され、被写体や撮影の目的に合わせて最適なパラメーターで撮影できるのです。
シャッターの耐久性なども10万回と、プロ機に匹敵する水準を獲得しています。
1Dシリーズよりもはるかに軽量・コンパクトなボディとなっているため、機動性という点で1Dシリーズより勝る部分も持ったカメラです。
一方で、プラスティッキーな筐体であることで、「フルサイズセンサーを搭載したEOS Kiss」などと揶揄されることもあった5Dですが、それでもフルサイズセンサーを搭載しながら普及価格帯で発売されたことは画期的なことでした。
5Dの登場以降、普及価格帯のフルサイズ機が他社でも登場するなど大きな影響を残したモデルといえます。