1950年代のCanonは、距離計連動式システムカメラで多くのカメラファンを魅了していました。
しかし、クイックリターン式ミラー機構や自動絞り機構の基本技術が誕生し、小型システムカメラの主流は一眼レフへと移行を始めたのです。
その影響を受け、Canonでもレンズの選択に制約を受けない一眼レフの開発が進められるようになりました。
Canonが初めての一眼レフカメラとして1959年5月に発売したのが『Canonflex』です。
Canonflexは、ボディ側につけられた外爪を包み込むようにしてレンズを装着するブリーチロック式のピゴットマウントが採用されました。
これにより、レンズ着脱時に生じるマウント部の摩耗を起こりにくくしたのです。
また、Canonflexには完全自動絞り機構であるスーパーキヤノマチックと呼ばれる凝ったメカニズムも搭載されました。
さらに、底部が130度回転する巻き上げトリガーや、取り外し可能なファインダーなどを取り込むことで一眼レフカメラファンをうならせたのです。
Canonらしい斬新なアイデアが息づいているCanonflexは、Canonの歴史を大きく変える1台として高い人気を誇ります。