レンジファインダーカメラとして人気を博したCanon Pをベースに改良し、最上級機として発売されたのが『7』です。
Pを除いた、これまでのCanonの最上級機にはローマ数字が使用されてきました。
しかし、異例の7のみにアラビア数字が使用されたことから、カメラファンの興味を惹きつけたカメラです。
Canon 7 は、Pでは外付けされていた露出計が内蔵されているのが特長です。
正面から見てボディ右上に装備された露出計は、セレン光電池を受光素子としたものです。
また、この露出計はシャッターダイヤルとも連動していたため、露出計が指示している絞り値をレンズに設定することで簡単に撮影ができるようになりました。
そのうえ、M型ライカ同様の採光式ブライトフレームが装備されていますので、ファインダーは気持ちがいいほどに明るく確認しやすくなりました。
このファインダー枠は、35mm用、50mm用、85mm・100mm兼用、135mm用から選べる切り替え方式が採用され、対応焦点距離が増やされました。
当時としては驚きの超大口径50mm F0.95のレンズを装着できるカメラが開発のコンセプトとして、Canon 7は並行して作られたと言われF値が1を超える35mmフィルムカメラ用レンズは他にはなく、それを搭載できる特別なカメラでした。
そのほかにも、ライカLマウントを採用している7は、さまざまなレンジファインダー用のオールドレンズに付け替えて楽しむこともできるのです。
世界のLeicaをも凌ぐ精度を持つCanon 7 は、Canon最後の高級国産レンジファインダーカメラとして中古市場でも評価の高い機種です。