
TTLマニュアル測光機が主流だった1970年代前半の35mm一眼レフ市場において、1976年4月にすい星のごとく登場したのがCanonの『AE-1』です。
当時でも、AE機能の一眼レフカメラはありましたが生産量が少なく高価格帯機種として位置づけられていました。
そこで、AE機能を持った一眼レフを普通価格帯で販売できないかと考えたCanonは設計の根本からの見直しを始めたのです。
機能を電子化させ、それにより部品数を300点も減らすことに成功します。
そして、生産にも大幅な自動化を取り入れ、普通価格帯のAE機能を搭載した眼レフカメラの商品化を実現させました。
「連写一眼」と呼ばれたAE-1は、その後のカメラの歴史を変えていく一台となります。
というのも、AE-1の登場により普通価格帯でありながらもAE機能やワインダーによる自動巻き上げ機能を搭載したカメラを当たり前のものにしたからです。
シャッターを押すだけでフィルムが自動で巻きあがるというのは、当時のユーザーにとって夢のようなカメラでした。それを一般化したCanonのAE-1は爆発的な人気を得たのです。
AE-1は2018年現在でも衰えない人気を誇り、中古市場でも常に高い需要のある1台です。