現在でもオランダでプロ用スタジオカメラを製作しているカメラメーカーのCAMBO(カンボ)が発表した4×5inの大判フィルムカメラのひとつが、CAMBO WIDE 470XLです。
建築写真家などのプロ向けのカメラとして発売され、当時の定価が、513,000円と非常に高価なことでも知られています。
このカメラの特徴として挙げられる点が、レンズにシュナイダー・クロイツナッハ製スーパーアンギュロン47mmF5.6XLを搭載している点です。
このレンズは、従来のCAMBO WIDE 470に採用されていたレンズのスーパーアンギュロン47mmF5.6と焦点距離や絞りにおいては同じですが、イメージサークル径がφ123mmからφ166mmと格段に大きくなっています。
イメージサークル径は通常のカメラではあまり重要ではありませんが、あおり機構を持つ大判フィルムカメラにとっては重要な要素となり、このイメージサークル径を大きくしたことで、より柔軟なあおり機構を実現しています。
また、レンズのスライド幅も、15mmから20mmとなり、従来よりも撮影の自由度が増していることも特筆すべき点です。
大判フィルムカメラとしての完成度をより高めることに成功した、CAMBO WIDE 470XLは、現在では、同シリーズで最もポピュラーで安定した性能を備えているカメラとして、中古市場でも高値で取引されています。