
スイスの時計部品メーカーのピニオン社は、1944年から一眼レフカメラのALPAシリーズを製造しました。
ハンドメイドでこだわりのある部品でつくられていたため、販売台数が少なく次第に受注生産に切り替えていきましたが、シリーズは11siまで続きます。
1964年に発売したALPA REFLEX 9dは、ALPA第3世代の機種です。
特長は、巻き戻しがクランク式であることや世界で3番目のTTL露出計を備えている点です。
TTL露出計があれば、焦点距離が変わってしまったとしてもレンズの画角に合わせた露出が行えます。
TTL露出計はシャッタースピードとは連動していません。
ですから、露出計で読み取った数値でシャッターダイヤルをセットする必要があり、連続撮影には向いていません。
カメラボディは、従来の丸みを帯びたかわいらしいデザインからスタイリッシュな角張ったデザインへ変更しています。
シャッターはフォーカルプレーンシャッターで、1/11000のシャッタースピードです。
カメラの生産は1964年から1969年まで約5,000台と、ALPAのなかでも最も多く販売されました。
ボディカラーは2タイプあり、シルバー4,391台、ブラック665台です。
そのほかに、ハーフサイズも少し生産していたようです。
中古でも値崩れすることなく、人気の高いカメラであることからクラシックカメラファンにとっては手に入れたい一台でしょう。