ハンケン(犯研)がRICOHから発売されたのは1953年。
既に発売されていたステキーを高く評価していた警察庁犯罪科学研究所から依頼を受けて開発されたカメラです。
犯罪捜査に使用できるよう掌で操作できる小型のカメラを作ってほしいという希望を実現し、実際に捜査の現場で使用されました。
役割を終えるとそのほとんどが破壊の上、廃棄処分され現存しているカメラは非常に少ないと言われる非常に貴重なカメラです。
小さいながらもレンズ交換が可能な本格的カメラで、標準レンズと望遠レンズが存在し、この製品のベースとなったカメラ、ステキーで使用できるレンズを装着できます。
目の高さからも腰の高さからもファインダーを覗けるよう作られています。
「スパイカメラ」とも呼ばれ、周囲に気づかれにくい掌サイズで片手で操作できるこのカメラは多くの捜査で活躍しました。
映画用16mmフィルムを20枚撮り相当の長さにカットし、専用のマガジンに詰めて使用します。
フィルムをカメラにセットすることも容易ではありません。
「豆カメラ」という愛称もあり、一見するとカメラとは分からない外観が何よりの特徴です。
市販されなかった希少なオールドカメラ「ハンケン」は、警視庁で使用されていたというイメージも相まって非常にレアな価値を感じる製品です。