
Ensign Autorange 820は1955年にイギリスのカメラメーカーEnsignが発売した6×9のスプリング中判カメラです。
製造台数が少なく、中古カメラ市場でも希少価値の高い人気がある一台。
レンズの銅鏡が蛇腹になっているためコンパクトに折り畳め、持ち運びしやすいメリットがあります。
中判カメラには珍しい距離計が内蔵されており、距離計窓の下にあるダイヤルとその裏のダイヤルでピントを調整します。
ピントの調整では前蓋が前後する珍しいつくりであるため、ほかのスプリングカメラで一般的なレンズの前玉回転よりも焦点距離の変化による収差を抑えられます。
シャッターはレンズシャッターであるため、レリーズを押し込む音は驚くほど静か。
レンズは高性能で有名なロス・エキスプレスが使用されており、細部にいたるまできれいな線を描くよい写りをします。
しかもこのカメラのレンズ周辺には青・黄・赤の点で色消しを意味するアポ表示がされ、色のにじみがなくクリアに写る色消しレンズが使用されています。
そのためフィルムカメラと言えども、デジタルカメラで撮ったかのような鮮やかな描写が特長です。
イギリスの有名なカメラメーカーがつくるスプリングカメラは、コレクターやクラシックカメラファンにとって人気のある商品です。