1957年にプロフェッショナルバージョンのレンジファインダーとして発表されたNikon SPは、一眼レフカメラの開発が進められていた当時、ニコンが技術を結集させて作り上げたカメラで、広角から中望遠まで対応する内蔵ファインダーが搭載されているのが特徴です。
貴重なカメラなので中古市場でも注目されています。
Nikon SPは、28mmから135mmのレンズをカバーするユニバーサルファインダーを搭載しているのが特徴です。
従来のレンジファインダーはファインダー内の枠を交換する必要がありましたが、このカメラは必要な焦点距離を全てファインダーに内蔵するという革新的な改良を行い、2つのファインダーを組み合わせることで問題を解決しました。
ユニバーサルファインダーに合わせて、ボディのデザインもファインダーと採光窓を覆う大きな窓が与えられ、Nikon SPの特徴である独特の見た目が完成しました。
フィルムカウンターは自動復元式で、セルフタイマーも搭載されています。
最高機種のレンジファインダーとして、荒木経惟氏、土門拳氏、名取洋之助氏など、有名な報道写真家も愛用していた機材です。
当時はカメラと言えばドイツのライカが主流の時代でしたが、ニコンのSシリーズや後続機であるこのモデルが、世界中のプロカメラマンや、過酷な条件での撮影を必要とする報道カメラマンの間でも評価され、ロバート・キャパ氏などの世界的に名声のある写真家も使っていました。
使い続けても壊れにくく耐久性が抜群なことや、思い通りの構図を再現できること、滑らかな操作性や美しいボディデザインも人気の理由です。
Nikon SPはユニバーサルファインダーを搭載しているおかげで、従来のレンジファインダーよりも扱いやすいのが特徴です。
おすすめのシチュエーションは自然風景の撮影で、高層ビルや繁華街など、都市の風景や住宅街、山や森林、砂浜や地平線など、あらゆる場面で一眼レフでは再現できない独特の雰囲気を作品にすることができます。
プロのカメラマンも、レトロな雰囲気の写真を撮りたいときや、レンジファインダーが持っている特別な色合いを出したいときに街歩きや日常風景の撮影をしています。
広角から中望遠まで幅広くカバーして、枠を交換したり外付け枠を使わなくても素早く撮影ができることや、現行のデジタル一眼レフに比べてサイズがコンパクトで持ち歩きやすいので女性カメラマンにもおすすめです。
Nikon SPに付いているカバーキャップやストラップ固定用の金具、説明書やオリジナルの箱、保証書類などが手元にある場合は一緒に査定に出すと高値で売れることがあります。
酷使してネジが緩んでいたり内部にゴミが入り込んでいたりする場合は、専門家のクリーニングやリペアを受けて、状態を整えておくと高く売れる可能性が上がります。
国産レンジファインダーの最高峰と言われるNikon SPには、1957年に生産されたものと1964年に東京オリンピックを記念して作られた限定品、2005年に登場した復刻版があります。
当時の生産台数は22000台くらいで、復刻版も2500台限定で販売されたため手に入りにくいのが現状です。
希少なモデルなためレンジファインダーのコレクターの間で人気があります。
査定額に関しましては、今現在の需要や、カメラの状態によって左右されるため、ご売却をお考えの方は一度お気軽にお問い合わせくださいませ。