中判一眼レフと言えばHasselbladですが、その中でも別格視されるカメラ、それがHasselblad SWCです。
一眼レフ用のレトロフォーカスレンズでは絶対に写すことのできない、信じられない程の美しい画像。
それをこの世に出現させることを可能にしたのがカール・ツァイスの超広角レンズ「ビオゴン」です。
ビオゴンは分類的には、レンズの前部と後部が対称型になっている「対称型レンズ」に分類されます。
対照型レンズの一番の特性は、レトロフォーカスレンズでは不可避とされる被写体の形が歪んでしまう「歪曲収差」を、レンズを前後対称にすることによって極限まで補正できることです。
被写体の形をそのままに、まっすぐな(直線)形を歪むことなく写すことができる革新的なレンズを搭載するべく作られたカメラがHasselblad SWC。
Hasselblad SWCには複数のモデルがありますが、そのすべてに共通して装着されているのがビオゴン38mmF4.5です。
中判一眼レフにこだわり続けたハッセルブラッドの信念ともいえる「一眼レフ一筋」を捨ててさえも、使いたかった超高性能広角レンズ「ビオゴン」。
Hasselblad SWCシリーズの誕生は、1954年のHasselblad SWA(スーパーワイドアングル)の発売にまで遡ります。
以来、モデルチェンジやマイナーチェンジを繰り返しながら現代まで愛され続けています。
デジタルには表現できない超広角の美しさをカール・ツァイスの銘玉で唯一表現できるHasselblad SWCは特別な一台です。