Hasselblad 2000FCWは1984年に発売され、多くのプロカメラマンに愛用された中判一眼レフカメラです。
1981年に発売された前機種の2000FC/Mの改良版で、専用の巻き上げ装置を取り付けられるようになりました。
これまでのシリーズでは最大で1/500秒のスピードしかでませんでしたが、2000Fシリーズはチタン製のシャッター幕を使用したフォーカルプレーンシャッターを搭載したことによりHasselblad史上最速の1/2000秒のシャッタースピードが出せるまでになりました。
シャッタースピードが向上したことで、これまでのシリーズのカメラから2段程度絞りを開くことが可能になったが、わずか2段違うだけで明るい場面でも全く違う色彩の革新的な美しさを表現できます。
またフォーカルプレーンシャッターではレンズの中にシャッターを入れる必要が無くなったため、レンズの制約なく自由なレンズの設計が出来るようになりました。
そして対応レンズとして、Fゾナー150mmF2.8、Fディスタゴン50mmF2.8、Fプラナー110mmF2などの最も明るいレンズが誕生しました。
このレンズの構成は7群7枚の変形ガウスタイプとなっている為、自由度が高い反面、収差を抱えやすく被写界深度が浅くなりがちになっているという面ももっています。
ですが、Hasselblad 2000FCWを使うことでそれらのレンズの性能をより引き出し、これまでには表現できななかった描写を実現したのでした。
2000FC/M以降、ミラーアップには3通りの切り替えを持ち、そのうちの一つにスイング構造を採用し、ミラーを大きくすることでミラー切れの心配もなくなり、シャッターに影響することなくミラーアップができるようになりました。
ボタン操作で多重露光も可能にするなど、多くのプロ仕様の機能が充実したHasselbladの最高峰ともいえるカメラです。