1992年に発表された、Nikonos RSはカメラ史上唯一無二の水中専用フィルムカメラです。
その圧倒的な性能によって「カメラグランプリ’93カメラ記者クラブ特別賞」を受賞するなど、一時は水中用カメラで圧倒的シェアを占めるまでになりました。
しかし、その高性能ゆえに本体重量は2Kgを超え、カメラ本体の価格も当時で39万円という高額での発売になってしまったため、販売台数は世界で約5,000台と大きく伸び悩んでしまいました。
価格が高く販売台数こそ伸びなかったものの、その性能は群を抜いておりハウジング無しで水深100メートルという驚異的な防水性能を誇ります。
また、マルチパターン測光やオートフォーカスなど当時の一眼レフに採用されている機能も当然のことながら備えていました。
マウントは専用のR-UWマウントを採用しているため、Fマウントのレンズは使用することができません。
しかし、1994年に発表された「R-UW AFフィッシュアイニッコール13mmF2.8」との相性は素晴らしく、まさに水中の世界を自分が魚になって泳いでいるような幻想的な写真を撮ることができます。
Nikonos RSは、現在ではNikonもメンテナンスしておらずオーバーホールに対応できるショップも国内に僅か数店舗しか存在しません。
そのため、正常に稼働できる個体の現存数は圧倒的に少なく中古市場でもほとんど流通していない希少なカメラです。