名前に「II」とあることからもわかるように、「AI AF-S NIKKOR ED 500mm F4D II」はマイナーチェンジ版です。
超望遠にしては軽量だった前モデルの発売から4年ほどのちの2001年7月に発売されました。
最も大きな変化は、重量が3,800グラムから3,430グラムになった点。
これはレンズ鏡筒にマグネシウム合金を採用した成果です。
主な被写体は、野鳥などの野生動物、あるいは、サッカー・ラグビー・モータースポーツなどでしょう。
「三脚ではなく一脚を選び、状況に応じて撮影ポイントを移動しながら撮る」といった機動力重視の使い方をする人たちに好まれるレンズです。
軽量化は魅力を1段アップさせました。
レンズ構成は9群11枚で、そのうち3枚にNikonが独自に開発したEDレンズが使われています。
これは特にハクチョウのように色の白い被写体で目立つ色のにじみを抑えてくれます。
また、9枚羽根の円形絞りのおかげできれいなボケ味が実現しました。
このレンズ構成や絞りは前モデルから引き継がれたものですが、ブラッシュアップもされています。
最短撮影距離は5メートルからオートフォーカス時4.6メートル・マニュアルフォーカス時4.4メートルまで改善しています。
さすがにこの焦点距離と開放値ともなると、日常的に使う人は少ないでしょう。
しかし、動物写真・風景写真・スポーツ写真のいずれであっても、今までとは違う写真や、ほかの人が撮らないような写真が撮りたいといった人には、新しい世界が広がる可能性の高いレンズです。