
AI AF-S NIKKOR ED 400mm F2.8Dのクラスのレンズでは被写体はかなり限定されます。
その代表を挙げると、野鳥などの野生動物とサッカー・ラグビーなどの球技でしょう。
これらに共通するのは「肉薄したいが近づけない」「動きが早い」です。
超望遠ということならば、近年、Nikonからも400mm・500mmまでカバーするズームレンズも出ています。
しかし、どれも開放値がF4やF5.6で、さすがに単焦点レンズの「AI AF-S NIKKOR ED 400mm F2.8D」ほどの大口径はありません。
1〜2絞り明るいことはそれだけ高速シャッターが切れることを意味し、もちろん、被写体の動きを止めやすくなります。
また、テレコンバーターを挟んで、さらに焦点距離を伸ばすのにも有利です。
これは特に野鳥を撮るときに実感するでしょう。
また、この「AI AF-S」のシリーズからNikon独自のSWM(超音波モーター)が採用されました。
正直なところ、これより前のNikonはオートフォーカスの技術ではライバルのCanonに差をつけられていましたが、ようやく互角以上の戦いができるようになりました。
そこからは大きな技術革新はないので、合焦点スピードは最新のレンズとも体感上の大差はありません。
野生動物を撮るにも球技を撮るにもストレスなく被写体を追うことができます。
これだけの超望遠・大口径になると色収差が心配になるところです。
しかし、9群11枚のレンズのうちEDレンズが3枚も使われ、色収差を強力に補正しています。
1998年6月の発売で希望小売価格は120万円と、明らかに報道機関などプロだけが対象の商品でした。
中古商品になったことで、ようやく購入が考えられるようになったアマチュアも多いのではないでしょうか。