
1983年に発売されたLinhof Technorama 612は、パノラマ撮影に長けているカメラとして今でも高い人気を誇る中判パノラマカメラです。
Technorama 612のカメラシステムとして、本体、マウントされたレンズの選択、そして専用のビューファインダーの3つの重要なコンポーネントに分けることができます。
各コンポーネントは双方を補完しつつ、それぞれが非常にシンプルなデザインとなっているのが特徴です。
本体は頑丈な金属製のボックスで構成されており、フィルム位置を合わせたままキープさせ、フィルムをフレーム間で送り、フレームをカウントする方式を採用しています。
1つは補助ビューファイダー用、もう1つはフラッシュまたはほかのアクセサリー用の2つのアクセサリーシューがトッププレートに備えている点は目を惹きます。
また、カメラを逆さまに使用するための2つ目の三脚マウントも上部に搭載されているので、様々な撮影シーンに対応できます。
最も複雑な機構としてレンズがありますが、見た目よりも実は単純です。
ほとんどのロールフォーマットカメラとは異なり、大判カメラ用に設計されたレンズを使用しており、これらのレンズは焦点合わせのために専用のヘリカルマウントにセットされます。
これらのヘリカルマウントは長い焦点距離が特徴で、過焦点フォーカシングのために焦点距離と焦点の深さの範囲が刻印されており操作性も抜群です。
大判サイズのカメラメーカーとしてLinhofは代表的なメーカーですが、そのLinhofから発表された中判カメラである本機もまたコンパクトな筐体でありながら堅牢で高い精度を持つ優れたカメラです。