富岡光学は1932年に富岡正重氏が東京に富岡光学器械製作所として設立した光学機器メーカーです。
民用のカメラレンズを開発、販売しますが、軍の監督工場となり光学兵器の事業に着手し爆撃を受け全焼してしまいました。
後に事業を再開し1960年には35mm一眼レフ用のレンズを量産します。
この頃から生産のほとんどが供給用OEMモデルが主体で、レンズ供給先のヤシカの傘下に入り、人気商品であるヤシカエレクトロ35などを販売しました。
しかしその後はヒット作に恵まれず、カール・ツァイスからの技術供与で、ツァイスブランドレンズを製造するも、上手く波に乗ることはできず京セラに救済合併されることになります。
富岡光学のレンズはレンズマニアの中で非常に人気があり、相場はかなり上がっています。
前述したように、製造のほとんどが供給OEM商品だったためレンズに「tomioka」「tominon」と名前入りのレンズが少なく、一番人気があるレンズ「55mm F1.2」の相場は一時期10万円を超えていました。
少し価格を抑えるなら「yashinon-dx 50mm F1.4」もあり、このレンズも55mm F1.2ほどの明るさはないものの、富岡光学レンズファンを納得させるボケ味を楽しむことができます。
このボケ味をカール・ツァイスに教えたのは富岡光学だという話もあるくらい、レンズ製造技術力に優れたメーカーだったのは間違いありません。