
smc PENTAX-F* 600mm F4 ED IFは、1988年3月に発売されたKAFマウントに対応したペンタックスカメラ用のレンズです。
直径181mm、全長457mm、重量6830g。
レンズ構成は7群9枚で、うち2枚は特殊低分散ガラスを用いた(ED)レンズです。
大砲のような巨大な筐体にもかかわらず、F4という明るさを誇りますが、受注生産品のため希少なレンズです。
EDレンズはスペクトル分散を低く抑えたレンズで、望遠レンズに出がちな色相収差を極限まで抑え込み、コントラストの優れた画質を実現しています。
このレンズはAFですが、ペンタックス独自のインナーフォーカスシステムで重量バランスを崩すことなく速い速度でフォーカスを取ることができ、なおかつ被写体との距離に応じて可動範囲を設定できるフォーカスリミッターもついているので、ピント合わせが迅速化されています。
重量級の巨大レンズなので、気軽に持ち歩きには向いていません。
また、撮影時には三脚が欠かせませんが、ネイチャーフォトカメラマンに愛用者が多く、2度と訪れないチャンスをものにしなければならない遠い距離からの一発勝負に威力を発揮します。
バズーカのように巨大な単焦点の明るいレンズだけが持つクリアな世界は、選ばれたカメラマンだけが浸れる究極の世界ではないでしょうか。
独特なボケ味がファインダーに結像され、その美しい画像に息をとめてシャッターを押す瞬間は、カメラマンにとって至福の瞬間となるでしょう。