smc PENTAX-F 300mm F4.5 ED IFは、1987年に発売されたKAFマウントに対応のペンタックスカメラ用単焦点の望遠レンズです。
サイズは、84×160mm、重量1120gで、300mmの単焦点望遠レンズとしては、望遠レンズの代表格であり、これまで着々と進化してきました。
ところが、古いレンズであるにもかかわらず、サイズは最新型のDA 300mmF4 ED IFより全長が3cmほど小さく、意外なほどコンパクトです。
重量も1120gとほぼ1kgで、三脚座も付属していますが、手持ちで運用できる筐体です。
野鳥、飛行機、スポーツ、鉄道など野外に持ち歩いて動く被写体を追う、あるいは長時間じっと待つ苦労をいとわないカメラマンたちにとって、単焦点望遠でピタリとシャッター速度とフォーカスが決まったときの感覚は何物にも代えがたい至福の瞬間といえるでしょう。
このような撮影を好む人にとって、大枚をはたいてでも手に入れたいと思うのがこの種のレンズ。
ズームレンズは画角を変えられて便利ではありますが、やはり単焦点の作画性能は細かく見ると勝負ありといわざるを得ないでしょう。
色相収差のないクリアな輪郭と原色がくっきりと映えるコントラストの良さ、鳥や動物を撮ればわかる毛並みの質感や均等にきれいに消えるように滲む秀逸なボケ味は格別です。
このレンズを所有する喜びとともに、シャッターが切れる千分の一秒を最高に幸福な瞬間にしてくれることでしょう。