Carl Zeiss Planar T*FE 110mm F2 は、スウェーデンの老舗カメラメーカーのハッセルブラッド社が発売したフォーカルプレーンシャッター機用の大口径レンズです。
このレンズには2つのタイプがあり、発売初期モデルである「F」タイプと、電気接点をマウント部に搭載した「FE」モデルになります。
ハッセルブラッド社の中でもプラナーは特に人気があり、その中でも「110mm F2」は素晴らしい描写の銘玉とされ、世紀の銘玉とも呼ばれるほどです。
現代のカメラで使用するには、ハッセルブラッドマウントのアダプターが必要となります。
初期モデルの「F」タイプだとフルサイズで使用する際にはそこまでの問題は起こりにくいですが、デジタル中判で使用する際には、後期モデルの「FE」を使用するほうがトラブルが起こりにくいです。
そのためか、初期モデルの「F」タイプの相場は下がり、後期の「FE」モデルの相場が高い傾向にあります。
ハッセルブラッドのレンズの中でも最高の明るさといわれ、晴天時の撮影でも被写界深度の浅く柔らかなボケを楽しめるレンズです。
また、シャッター制約がないため、開放値が他のレンズと比べても明るく、ポートレート撮影には専用レンズといってもいいほどの趣があります。
撮り手の絞りにも敏感に反応してくれ、開放のF2ではボヤッとした印象でありながら、少し絞っていくとキリッとした印象へと変化し、さまざまな描写を見せてくれる銘玉です。