
Planar T* 85mm F1.2 50周年記念モデルは、CONTAX誕生50周年を記念して作られたレンズで、1983年に発売されています。
CONTAXの記念レンズですので、当然マウントは35㎜判のコンタックスマウントです。
特徴的なのがレンズ面を正面から見た色で、薄いブルーがかっています。
このあと、1992年には同じく60周年で同じ焦点距離と開放F値の記念レンズが発売されていますが、こちらはレンズ正面から見るとアンバーの色合いになっています。
AEタイプですので、露出は絞り優先AEとマニュアル露出の2種類が使えるようになっています。
写りは、35㎜判のツァイスレンズの中で、もっとも優れているという評価があるくらい優秀な写りです。
色合いはごく自然で人工的な感じはなく、それでいて開放から非常にシャープに写ります。
また、ボケ味もツァイスレンズならではの、溶けるようになめらかなボケ味で、非常に美しいものとなっています。
ただし、F1.2という非常に明るいレンズということもあり、被写界深度がとても浅く、合焦面が極めて薄いという特徴があります。
ちょっと外すとブレてしまい、シビアなピント合わせを要求するレンズです。
もちろん、絞れば立体的で解像感の高いシャープな写りをし、ピント合わせも容易になるので、そこまで神経質にならなくてもいいレンズではあります。
この50周年記念レンズは、記念レンズという特殊性と写りがいいということもあって、中古市場には出回りにくいレンズとなっています。
あったとしても20万円を超えるようなプレミア価格ですが、それだけの価値は十分にあるレンズです。