
Planar 55mm F1.4はコンタックスマウントの標準レンズとして登場しました。
開放F値が1.4と明るいこともあって、大口径のレンズになっています。
ツァイス・イコンが全力で作り上げたとされるレンズの1本といわれ、極初期に作られた高い品質を持つレンズです。
50mmにもF1.4のレンズがあり、こちらは最短撮影距離が38cmに寄れるレンズになっていますが、55mmのこのレンズは45mmと標準的な距離です。
また、フィルター枠内側にねじを切っていないため、フードやフィルターの装着には専用のアダプターが必要になります。
このPlanarはT*の銘が入っていないように、レンズコーティングはT*コーティングのものではありません。
良くも悪くも普通のレンズであるといえます。
肝心の写りですが、特筆すべきクセがなく、優等生的なレンズです。
ボケが柔らかく、二線ボケが少ない美しいボケ味を出してくれます。
逆光にも比較的強く、収差も少ないので扱いやすいレンズになっています。
全体に開放からシャープで端正な写りなので、マウントアダプターを介してデジタルで使うのにも最適といえるでしょう。
また、絞って撮ると矢車型のボケが出ます。
古いツァイスのレンズではありがちなものですが、絞り羽根が妙な枚数と形になっているのでこうした現象が起こります。
トータルでとてもバランスのいいレンズです。
ただ、クセらしいクセがなく扱いやすい分、写りに面白みがなく感じる場合もあるかもしれません。
素直な写りのレンズを求めているユーザーに適したレンズといえるでしょう。