
1975年に発売されたF-Distagon T* 16mm F2.8 AEGは、カール・ツァイスブランドの対角線魚眼レンズです。
カール・ツァイスのディスタゴンタイプのレンズは、製造時期によってドイツで製造されたAEGのほかに、日本国内で製造されたAEJや改良型のMMG、MMJといったタイプのものがありますが、このF-Distagon T* 16mm F2.8 AEGはドイツで生産されたAEGのみが存在しています。
マウントはY/Cマウントに対応しておりコンタックスの一眼レフカメラやペンタックスの一眼レフカメラで使用できます。
MF専用レンズでレンズ構成は7枚8群で最短撮影距離は0.3mとフィッシュアイレンズとしては若干最短撮影距離が遠く、プログラムAEやシャッター優先AEには対応していません。
しかし、対角線180°という非常に広い画角と、フィッシュアイレンズで表現される独特の描写が魅力的で、その描写はコントラストが高く絞り開放からでもしっかりとした解像度を誇っています。
そしてその超広角の画角によるディストーションを最大限に活かすことによって、ダイナミックかつ独特の表現を可能にしています。
通常の広角レンズでは撮ることのできない独特の世界を切り取ることのできるF-Distagon T* 16mm F2.8 AEGは、ドイツのみで生産されたこともあり、日本国内での流通本数が非常に少ない希少なレンズとして非常に高値で取り引きされています。