長谷川製作所は、1900年代前半にコニカミノルタの前身である小西六のカメラの製作などを行っていたメーカーです。
代表的なカメラは大判カメラのHASEMI WOOD。
筐体には国産桜材を工場の屋根の上で数年自然乾燥させて、選別した材料のみを使用して熟練職人によって組み立てられています。
日本の四季の変化の影響を受けない上質な木材を使用して作られたボディは、軽くて丈夫だとして多くのプロカメラマンに浸透しました。
アオリ機能があるので、風景写真や建築写真、山岳写真等の画角の壮大な場面にも味のある美しい描写が可能です。
大判フィルムを使用するため大型な機体ですが、レンズをつけても2kg満たない軽量さと蛇腹の折りたたみにも細やかな配慮が施されています。
金属製のカメラとは違う、柔らかな質感も木製大判カメラならではの魅力です。
HASEMI WOOD銘でいくつかの機種を輩出していますが、ほとんど資料が残されていません。
それでも極稀に中古市場に出回ることもあり、その希少さ故に注目度の高いメーカーです。