一眼レフ全盛の1998年に敢えてレンジファインダーカメラとして登場したのがFUJIFILM TX-1です。
レンジファインダーカメラとして発売したのには理由は、90年代にカメラ界で流行していたパノラマ写真を撮影するためです。
富士フイルムではパノラマ写真を撮影するということに対して、真っ正面から取り組み、TX-1が誕生したのです。
当時、パノラマ写真が撮れると謳っていたカメラは種々ありましたが、多くは35mm判フィルムの天地をクロップしてパノラマっぽく見せる「疑似パノラマ」が撮れる仕様のものでした。
その点TX-1は横幅65mmに広げて撮影できる真のパノラマ写真を撮影できるカメラだったのです。
90年代に流行ったチタンを外装に使うなど、しっかり流行も取り入れていました。
また、レンジファインダーカメラとしても充実した機能を持ち、パララックス自動補正や露出計を搭載しているほか、ファインダー内には二重像合致式の連動距離計を採用。
採光式ブライトフレームのファインダー枠を使うなど、ハイエンドのレンジファインダーカメラとしての機能を備えています。
本物のパノラマ写真が撮れるカメラとして重宝された1台ですが、実は1枚ごとに35mm判の撮影に切り替えて撮影することもできる器用なカメラです。