EOS 1D Mark Ⅳは2009年12月に発売されたキヤノンのデジタル一眼レフです。
2007年に発売されたEOS 1D Mark IIIの後継機にあたるモデルで、型番で分かるとおりEOSシリーズのフラッグシップ機にあたります。
EOS 1D Mark IIIと同じくEOS 1D Mark Ⅳも同時期にスタジオ撮影向けに特化したEOS 1Ds系のモデルが存在し、フラッグシップモデルながらワンランク下の扱いとなっていました。
撮像素子はEOS 1D Mark IIIの1,010万画素から1,610万画素CMOSセンサーに変更されています。
しかし、1Ds系が35㎜フルサイズセンサーを搭載しているのに対し、1D系のこのモデルでは先代に引き続き、APS-Hサイズのセンサーが採用されています。
また、画像処理エンジンも先代のDIGIC IIIからDIGIC 4へと進化し、これをデュアルで搭載しています。
これにより、10コマ/秒の高速連写はそのままに、常用ISO感度がISO12800まで大きく向上し、暗所撮影でパフォーマンスを発揮しました。
AFセンサーは先代がクロスセンサー19点の測距点だったのに対して、45点のAF測距点を任意に設定できるようになりました。
これはEOS 1D Mark IIと同じ仕様で、Mark IIIでの変更が不評だったために元に戻されたものです。
同時にクロスセンサーも大幅に増えているので、AF性能は格段に向上しています。
外見やスイッチ、キーの類いなど先代モデルを完全に踏襲したことで、違和感なくMark IIIからMark IVへと移行することも可能だったモデルで、プロカメラマンから好評を得ることができました。
このあと、1D系はMark Vへと進化することなく、1D系と1Ds系が統合されて、真のフラッグシップ機へと移行した一台です。