「AI Fisheye-NIKKOR Auto 8mm F2.8」は、1970年にNikonから発売されたレンズです。
本レンズの特徴は、画像の中心から離れるほど歪みが強くなる、いわゆる全周魚眼や対角線魚眼レンズとは違い、画面の端でも線が歪まないことです。
そのため、魚眼レンズのように写りが円形の画像でも、建造物のラインなどはそのまま直線で出てくるという独特の画が得られるのが魅力です。
もうひとつ本レンズの特徴に、5種類のレンズフィルターがあります。
内蔵フィルターはL1A(ノーマル)、Y48(イエロー)、Y52(イエロー)、O56(オレンジ)、R60(レッド)の5つで、ノーマルフィルターはカラーと白黒兼用、そのほかは白黒用です。
ちなみに、AI改造をした後はノーマルフィルターがL1Bcとなります。
また、前玉が飛び出ていて見た目がユニークなこのレンズは、手動でピントを合わせる必要があります。
なお、こちらはNikonのFマウント系レンズなので同社の一眼レフカメラなどなら取り付け可能ですが、AI改造を行わないと多くの機種には適合しないので注意しましょう。
このレンズは普段からカメラに装着して使用するというよりは、ここぞというときに使う一種特別なレンズです。
180度という広い画角で、写真表現の幅を大きく広げてくれます。