第二次世界大戦後、ドイツは東西に分かれました。
そのため、当時ドイツにあった企業の幾つかは東ドイツ、西ドイツに分裂して経営を続けた歴史があります。
Carl Zeissも同じ運命に遭い、東ドイツではCarl Zeissイエナとして社名を新しくしました。
Vario-Pancolar 35-70mm F2.7-3.5 M42はその頃に誕生した高性能レンズとなります。
Vario-Pancolar 35-70mm F2.7-3.5 M42のレンズ構成は8枚9群で、フォーカスはMF。
焦点距離は35~70mmとなっており、広角ズームレンズに分類されます。
マクロモードを搭載しているため、植物の筋や花びらの輪郭と言った細部を繊細に描写します。
それでいて最短東映距離が80㎝のため、広々とした風景やポートレートなどにも使えるため、幅広いシーンで活躍するレンズです。
42マウントに対応しており、コンタックスSシリーズやイカレックスTMシリーズ、ローライSLシリーズなどに対応。
PENTAXの42スクリューマウントにも対応しますが、レンズ後部にでっぱりがあるため、機種によってはミラーが当たってしまいます。
東西分裂という激動の時代にも関わらず、Carl Zeissの職人たちは己の職務を忠実にこなしており、多くの名レンズを世に送り出しました。
Vario-Pancolar 35-70mm F2.7-3.5 M42もその1つであり、生産数が少ないため、非常に貴重なレンズになります。