Makro-Planar 120mm F4 HFTはローライフレックスで有名なドイツベルリンのカメラメーカーであるローライが発売した単焦点マクロレンズです。
6×6cm判のローライフレックスSL66シリーズでの使用が可能で、同シリーズのレンズの中では最後期に発売されたレンズです。
レンズ構成は4群6枚のプラナー構成で、最短撮影距離は0.8mなので、マクロレンズながらそこまで被写体に寄ることはできません。
しかし、このレンズの特徴はなんといってもローライ独自のHFT(High-Fidelity-Transfer)コーティングと呼ばれる高精密蒸着多層コーティングです。
カール・ツァイス製のレンズを使用していますが、当時、優れたコーティング技術で定評のあったT*コーティングではなく、あえてHFTコーティングを採用している点はローライのHFTコーティングへの絶大な自信を感じ取ることができます。
そしてその描写は発色の良さに定評があり、ツァイスレンズ特有のシャープさと柔らかさが同居した独特の表現が魅力です。
ローライの高い技術力によって生み出されたMakro-Planar 120mm F4 HFTは、当時の価格で60万円を超えている大変高価なレンズでした。
その価格の高さと、SL66シリーズの最後期に発売されたことによる製造期間の短さのため、中古市場にもほとんど出回っておらず、今では大変貴重なレンズになっています。