Nikonのフラッグシップ機には、1ケタ型番のモデル名がつけられるという伝統があります。
このNikonF2も「F」からわかる通り、フィルムカメラのフラッグシップモデルとして1971年に登場しました。
NikonFの後継機として登場したF2ですが、極地探検家として有名な植村直己が過酷な極地の環境でも耐える頑丈なカメラの製作をNikonに依頼。
その結果、F2をベースに外装をチタンに変更したカメラが製作され極地で壊れることなく生還を果たしました。
この経験を活かし、特にカメラを消耗させるプロの要望に応える形でF2のチタンボティのカメラが限定ながら1979年に発売されました。
さらに一般向けにも追って発売されたのがNikonF2Tです。
Nikonのカメラはプロのカメラマンから根強い支持を集めており、このF2Tも例外ではなく発売から39年経った今でも人気のあるカメラです。
特にF2Tの場合、先行してプロ向けに2000台限定販売されたモデルは「ノーネーム(筐体にTitanの刻印がない)」として高値で取引されています。
NikonF2Tは外装がチタンになっている他、一部に違いがあるものの、内部構造はF2とまったく同じです。
Nikonのフィルムカメラで最初にして最高峰の機械式シャッターを搭載。
横走り型のシャッターの自然な写りに惹かれて今でも現役で使うカメラマンが多い人気機種です。
NikonFとF2では設計を一からやり直しているという点で、まったく違うカメラに仕上がりましたが、プロからの信頼は厚く、長く使われたカメラです。それもあって、中古機市場では希少なF2Tは特に人気が高く、現役でもまだまだ使えるカメラです。