
歴代の「サンニッパ」のなかで初めて独自のSWM(超音波モーター)を採用し、Nikonがようやくオートフォーカスでも高い技術力を見せたのが「AI AF-S NIKKOR ED 300mm F2.8D IF 」でした。
その発売から5年あまりたった2001年3月に登場したのがこの「AI AF-S NIKKOR ED 300mm F2.8D II IF」です。
細部にわたって数々のブラッシュアップが図られました。
重量は3,100グラムから2,560グラムと約17パーセントも軽量化。
8群11枚のレンズ構成に変化はなく、最大径・長さもほぼ同じなので、主にレンズ鏡筒にマグネシウム合金を採用した成果です。
このクラスのレンズでの手持ち撮影はほぼ不可能で一脚・三脚を使うことが大前提とはいえ、持ち運びを考えると軽いに越したことはないでしょう。
また、最短焦点距離は2.5メートルだったのが、オートフォーカス時2.3メートル・マニュアルフォーカス時2.2メートルへと改善しました。
前モデル同様にEDガラスを3枚採用することで色収差はしっかりと補正されるなど、もちろん写りの切れ味は引き継いでいます。
Nikonのサンニッパはどの時代でも報道用を強く意識して開発されていて、この「II」も例外ではありません。
性能や耐久性には一切の妥協はなく、定価が税別でジャスト60万円だったのも仕方のないところです。
現行商品ではなくなってようやくアマチュアにも手の届くものになったのではないでしょうか。